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イナズマンFの第7話のキーパーソンは、このサイボーグ・ミスワンでしょう。
イナズマン・ミスワン・ウデスパーの物語は ゴレンジャーの36話の空飛ぶ戦艦の話によく似ています。脚本家も同じ上原さんという人です。 そこでは、キレンジャー・大ちゃんに対し、サイボーグQ(水城亜矢)という美女が刺客として差し向けられます。 しかし、大ちゃん・サイボーグQ・軍艦仮面の話が切ないながらも暖かさが感じられるのに対し ミスワンの話は、イナズマンとウデスパーの最終決戦にもかかわらず、何とも言えぬ居心地の悪さというか不安な感じがつきまといます。 ================================= 「ゴレンジャー」では他のメンバーの忠告にもかかわらず、大ちゃんは、水城亜矢を信じています。 「あの人の目は綺麗じゃ。心の美しか証拠たい。」 正体が分かった後、「お願い、殺して」という亜矢に対し 「黒十字軍を抜け出したらどうかね。今ならやり直せる!水城亜矢として!」 設計図を返す亜矢 「亜矢さん、あんたやっぱり優しか人たい」 襲ってきた軍艦仮面には 「もう、許せん!!」 仲間には 「亜矢さんが、亜矢さんが」 大ちゃんの優しさにサイボーグQは軍艦仮面の弱点を教える・・・ ================================= 「イナズマンF」ではどうでしょうか? (これ以降は全くの私見なので、不愉快に感じられたら申し訳ないです) 「お前は私の猟犬だ。」 「今度の猟犬はなかなか出来が良い。」 ゾッとするようなウデスパーの言葉です 「あたしはウデスパーの猟犬なんだ。」 渡五郎の居所を教えるミスワン しかし、ウデスパーはミサイルでミスワンもろとも渡五郎を殺そうとする。 確かに冷酷かも知れません。 しかし、戦闘とはそんなものだと思うのです。 何%かは死ぬ、しかし、その%が低ければ良しとする。 ある随筆にこんな一節があります。 「私(作者)は、カフェで野性的な男に会う。その男はパラシュート部隊の大佐だった。男は自分はスパルタ人だと言い、別れ際にこう語った。普段部下を死なせないようにしているから、いざとなったら彼らは自分のために命を投げ出すだろうと」 ミスワンにとっての「いざというとき」はまさにミサイルが落下した瞬間であり、まだ生きている渡五郎に飛びつき破壊光線を使うのが、兵士としての使命だったはず しかし、彼女はそうはしなかった。 自分を殺そうとした上官・ウデスパーに対して疑念が生まれたのか 確かにそうだったのでしょう。 しかし、なぜ、ウデスパーの所になんか戻っていったのでしょうか 命令に背いた者、使命を果たせなかった者に対する、デスパー軍団の厳しい軍律は ミスワンは、よく知っていたはずです。 逃げ出すことだってできただろうし、 裏切って渡五郎達の協力者になることもできたはず あるいは、裏切れずに再び使命を果たすことも可能だったはず しかし、彼女はウデスパーの所に戻り、よりによって 「私も殺すつもりだったんですね」 と恨み言を言う・・・ その言葉に、ウデスパーは当惑しているように見えます。 「お前は私の猟犬だ。主人の命令を聞いてさえいればいいのだ。・・・・さあ、猟犬らしく渡五郎に噛みついてこい。」 と正論で彼女を諭すウデスパー 兵士なら国(デスパー軍団)のために死ぬのは当たり前 酷いという以前に、兵士とはそう言うものだし 実際、30年前(1974年の本放送当時から考えて)の日本では、 兵士どころか女子供まで、国のために死ぬものだとなっていたはずです。 ところが、ミスワンはふてくされてそっぽを向く よくあのウデスパーが、引っぱたいただけですませたものです。 飛び出していくミスワンに、裏切りの予感をウデスパーは感じたはずです。 渡五郎を再び殺そうとするミスワン、しかし、まともに戦って勝てる相手ではない。それなのに、真正面から向かっていくミスワン。 その姿は、まるでミスワンがイナズマンに殺してもらいたがっているようにさえ思えます。しかし、 「お願い、殺して」 というミスワンに対して渡五郎がかけたのは 「命を粗末にするものではない」 という正論です。 ウデスパーに撃たれてしまうミスワン、しかし、水城亜矢のようにヒーローをかばっての事ではない 五郎さんも大ちゃんのような怒りではなく 「部下を手にかけるのか」 という正論めいた言葉です。 それに対し、ウデスパーも正論で返します 「戦えないものに生きる資格はない。それがデスパー軍団の掟だ。」 「サイボーグにだって命があるんだぞ。」 正論の応酬の後、二人は最後の決闘をします。 そして、ウデスパーはイナズマンの必殺技ではなく、ミスワンの恨みのペンダントによって死んでいくのです・・・ なぜ、ミスワンはウデスパーに会いに行ったのでしょう。 ウデスパーに髪の毛を触れさせるミスワン ミスワンはウデスパーに特別な感情を持っていたような気がしてならないのです。 もちろんウデスパーにとってミスワンはただの持ち駒の一つに過ぎない。 しかし、ミスワンはウデスパーが自分に特別な感情を持ってくれるのではないかと思っている。 しかし、ミサイル攻撃で自分がただの持ち駒だと分かってしまう。 自分が持ち駒だと認めたくない、否定して欲しくてウデスパーに会いに行った・・・そう思えてならないのです。 もちろん、デスパー軍団に忠誠を誓っているウデスパーが、そんなミスワンの感情に気づくはずもなく、二人の会話は全くかみ合わないまま、ミスワンは基地を飛び出すのです。 五郎さんと荒井さんはどうでしょうか ミスワンに対し 「悪のために作られたサイボーグ、憎むべきは彼女を操っているウデスパー。」という五郎さん 「サイボーグ、戦うための機械か、いや違う。サイボーグだって人間だ。人の心を持っているはずだ」自分がサイボーグである荒井さんでさえ、一般的な正論を口にします。 亜矢さんの目は綺麗じゃ。おどんは信じてる。といった大ちゃんに対し何と言う違いでしょうか・・・ 最後の最後まで五郎さんはミスワンを名前で呼んでいません。 でも、これは大ちゃんが優しくて、五郎さんと荒井さんが冷たいと言うことではありません。 予備軍のいるゴレンジャーと違って デスパー軍団と戦えるのはイナズマンの渡五郎ただ一人 サポートできるのも、インターポールの作ったサイボーグ荒井誠だけ なのです。 二人に私情に流される余裕などありません。 ウデスパーがデスパー軍団の大義のために戦う戦士であるのと同様に 渡五郎も荒井誠も、人間の自由という大義のために戦う戦士なのです。 大義名分の男達の間で、ミスワンは誰にも理解されず死んでいきました。 「これでウデスパーを・・・」 というミスワンの最後の言葉は、つれない男に対する女の無理心中にさえ思えます。 ウデスパーがゼーバーではなく破壊光線で倒された時、ガイゼルは全てを悟ったように思えます。 二度と得られぬ有能な忠臣を、取るに足りない(とガイゼルが思っている)私情のために喪ったガイゼルの怒りと無念さはどのようなものだったのでしょうか・・・ PR |
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